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薄毛 対策

急に薄くなる?

実際に髪の毛がかなり薄くなって、

精神的にもつらい状態に陥っていたケースを紹介します。

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Dさん(40歳代、男性、公務員)は、

以前から少しずつ髪の毛が薄くなってきたようには感じていましたが、

ここ数ヵ月で急に抜け毛が増えてきたと思いました。

また、集中力、注意力が低下しているような気がする。

忘れ物が多い。
仕事でもケアレスミスが多い。

そういったことを妻が気にして、

専門のクリニックを訪れました。

最初に見たときの印象として、

40歳代で髪の毛がこの状態というのは、

やはりちょっと気の毒かなという印象でした(ハミルトン・ノーウッド分類のⅣ)。

 

 

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精神面では、元気がなく、

覇気がなくて、かなりうつ気分を強めているように見えましたが、

薬を使用しての精神面の治療がすぐに必要というほどとは考えませんでした。

 

治療の進展につれ抑うつ気分も改善

本人との相談のなかでも、

「いまいちばん気になるのは髪の毛」ということでした。

 

そこで、

「私たちも発毛のことについては、正直いって、やってみないとわからないところがあります。
いつごろどれくらいと約束はできませんが、できることをやってみましょう」

と説明をしたうえで、

塗り薬、飲み薬、ビタミン、ミネラルなども使用しながら、

治療を開始しました。

(頭髪治療では、このように、治療法として実際にどんな選択肢があるのか、どれくらい改善の見込みがあるのか、「いまの段階ではハツキリとはわからない」ことも含めて、初診時にできるかぎり説明するようにしています。そのために、第1回の診察と説明にかなり時間をかけるケースが多くなっています)

薄毛治療

診療を何回か重ねるなかで、

性格的にあがりやすいところがあり、

人を押しのけてでも何かをやるというタイプではないといった印象でした。

 

治療によって髪の毛は順調に回復し、

頭髪の状態と併行するように、

気分が晴れ晴れとして、

抑うつ的な気分も改善してきました。

 

最近では、ふつうに明るく仕事に取り組めるようにもなりました。

 

心のケア

「髪の毛の治療」と「うつの治療」

もともとあまり人の前に立つような性格ではなかったところに、

前から気にしていた薄毛が数ヵ月で急に進展し、

それにつれてだんだんと自信を失い、

抑うつ的な症状も出てきていたようでした。

 

こういった成り行き自体は、

人の気持ちとして無理のないものといえます。

 

このケースでは、まず頭髪の治療に取り組み、

幸いなことに、頭髪の改善とともに抑うつ症状も軽減するという経過になりました。

 

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しかし、抑うつ症状がよりきびしく、

医師として心配な状態、

たとえばうつ気分が強くて本人がとてもつらく感じていたり、

仕事や暮らしに重大な支障が出ていたりするような状態であれば、

うつ症状の治療を優先することも、

当然ありえます。

 

言葉を換えていえば、

「髪の毛の治療」と「うつ症状の治療」、

医療としてどちらを優先するかといえば、

「うつ症状の治療」です。

 

Dさんの場合、仕事のミスが増える、

忘れ物が多いなど、生活上の小さな差し障りも出ていましたが、

すぐに精神面での薬物治療が必要なほどの状態とはいえず、

本人の「いまいちばん気になるのは髪の毛」という気持ちもあり、

まず「髪の毛の治療」を、という判断をしたわけです。

なお、他の男性だけでなく、

女性の患者さんでも、「心のケア」の重要な場合があることに変わりはありません。

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たとえば専門のクリニックに訪れるまで、

そして治療を開始してからしばらくの間も、

たいへん深刻な「心の重荷」を抱えていました。

 

髪の毛ばかりで悩まないためには

髪の毛の治療を進める経過のなかで、

「心の問題」が出てくることもあります。

一つには、客観的に見て、

それほど悩んだり心配したりするような髪の毛の状態じゃないですよという人と、

どうやって話していくかということがあります。

髪の毛の治療ですから、

診察時に、患者さんの前頭部、頭頂部の写真を撮ります。

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その写真を本人に見せながら、

「これがあなたのお友達なら、どう思いますか?」

と尋ねてみると、「うーん。薄いといえばちょっと薄いかな、というくらいの感じ」

との言葉が返ってきます。

 

しかし、

「そうでしょう? 周りの人たちの目に映っているあなたは、それくらいのものなんですよ」

と説明すると、今度はなんとなく、釈然としない表情。

そんなことも珍しくありません。

髪の毛のことばかりが気にならなくなるためにはどうすればいいのか、

話し合いのなかで考え方を整理していくのも大事なことです。

 

しかし、その人はいま髪の毛の悩みで頭がいっぱいですから、

まず髪の毛の治療に取り組み、本人が改善を実感し、

それからもう少し他の話題での話し合いが深まっていく、

ということもよくあります。

 

やはり実際には、

頭髪治療と心のケアが車の両輪のように進んでいくことが多いように感じています。

 

薄毛で悩む人、薄くないのに悩む人

実際の治療経験からいえば、薄毛の度合いが、

ハミルトン・ノーウッド分類でいえば

Ⅳ、Ⅴ、それ以上とかなり進んでいる人が抑うつ気分を強めているのは、

比較的理解しやすい、自然な気持ちといえるでしょう。

「髪の毛がずいぶん薄くなった」という現実の問題が目の前にあるわけですから、

治療がうまく進んで、頭髪の状況がそれなりに改善していけば、

抑うつ気分も軽減していくことが多いようです。

 

一方、客観的に見てとくに頭髪に問題がないけれど、

悩みや抑うつ気分が強いという人の場合、

「私たち医師の目から見て、あなたのいまの髪の毛や頭皮に、とくに心配なところはありませんよ」と説明しても、

それですぐに納得する人はあまりいません。

たいていの場合、

「でも抜け毛がこんなにあります」「以前はもっとフサフサでした」

といった訴えがさらに続くことになります。

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そこで、それではまず、

いまの医療でできるだけの対処をしてみましょう、

という相談になることもあります。

またそのなかで、なぜそんなに髪の毛のことが気になってしまうのか、

頭髪のことばかりにとらわれないようになるためには

どんなことを大事にしたり優先していったりすればいいのか、

患者さんと医師が一緒に考えていくのも、しばしば大切なことの一つになります。

 

大事なことは、専門のお医者さんと相談しながら自分の状態を認識して、

対策していくことです。

薄毛 対策