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薄毛 対策

髪の毛が思いどおりにならないと

髪の毛というのは、考えてみると、

人間の体のなかでも、なかなか不思議なパーツといえます。

皮膚の付属器といわれますが、

髪そのものは単なるケラチンという硬タンパクの固まりで、

血液も流れていませんし、

神経も通っていないので、

痛みなどの感覚もありません。

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一方で、近ごろでは女性だけでなく男性でも、若い人ほど、髪の毛や髪型のことにたいへん気をつかいます。
今日はヘアスタイルをどうするか。

寝癖が残っていないか。
パーマをかけたり、カラーリングをしたり。

自分でいろいろと造作できるものであるだけに、思いどおりにならないと、それがストレスになったり、ひどく気に病んだりする人も少なくないようです。

このごろ急に抜け毛が増えていると感じて、このままではじきに髪の毛がどんどん薄くなってしまうのではないかという不安にとらわれたり、

髪を洗うたびに抜け毛の本数を数えることがやめられなくなっているような人もいます。

 

自分の外観をひどく気に病んでしまう

身体醜形障害、醜形恐怖症などと呼ばれる症状が、若い人に増えているといわれます。
自分の外観に欠点がある、おかしい、醜いと思い込んで、毎日長時間悩んだり、人前に出るのを避けたり、著しく気力をなくしてしまったりします。
ニキビやシワ、傷跡、毛深さなどや、目や鼻や耳、胸やお尻の大きさなど、体のさまざまな部位のことが悩みの対象になります。
近ごろでは、とくに女性で、美容外科に通ってプチ整形を繰り返すなどという人もいます。
もちろん、髪の毛のことでひどく悩んでしまつ人もいます。
これを精神症状と受け止めて、カウンセリングを含む精神療法や薬物療法で対処することによって、改善できることもあります。
しかし、たとえば本人が強く心を閉ざしたままで、医師とのコミュニケーションも進まないようなときに、まず「外観」のほうにアプローチして、本人に変化を実感してもらうことから、改善へのきっかけがつかめることもあります。

髪の毛に悩んでいる人ならば、発毛を実感することから、自信を少し取り戻すことがあります。
顔のシワや傷跡の悩みであれば、カバーメイクやリハビリメイクによって、気持ちが軽くなってくることもあります。
「外観がよくなって、気持ちがラクになる」こともあれば、「気持ちが上向いて、外観の改善に前向きに取り組むようになる」人もいますし、「気持ちが明るくなって、外観のことにそれほどとらわれなくなる」ということもあるわけです。
発毛のための薬、脱毛の進行を抑える薬、サプリメントによる栄養改善、カウンセリング、心をラクにする薬、等々。
何がきっかけになって状況が好転するのかは、人それぞれです。
それはまた、結果的に「うまくいった方法」が、その人にとって「いい対処」であるということでもあります。

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「治療のゴール」をどう考えるか

頭髪治療の経過と「心の起伏」発毛促進の治療がうまくいっても、ずっと一定のスピードで髪が伸びたり増えたりするわけではなく、一進一退、一時的にまた抜け毛が増えることもあります。
たとえ話をすると、マラソン選手がオリンピックを目指して日々トレーニングに励んでいるとします。
あるときタイムがグンとよくなることもあれば、いくら練習しても壁に突き当たったようによくならない時期もあるでしょう。
それにつれて当然、それぞれの患者さんなりに「心の起伏」があります。
それが一喜一憂、喜んだりガツカリしたりという程度のことならいいのですが、髪の毛の改善が目に見え始めたときの喜びゃ期待が大きいほど、そう順調にはいかない局面を迎えたときに、精神的に不安定になることがあります。
なかには、もうダメだと絶望的な気分に陥ってしまったり、これまでそれなりに改善してきた経過も目に入らなくなって、まるでスタートラインに戻ってしまったような気持ちにとらわれてしまう人もいます。
そういった時期を適切に乗り切るためにも、「心のケア」がお手伝いとして役立つことがあります。

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いまの医療で実現できることは

「治療の進展度」と「本人の満足度」という問題もあります。
もう一度先ほどのマラソン選手のたとえ話を使うと、一定の期間その競技に取り組んでいれば、自分の限界はこの辺だろう、これが自分のベストタイムじゃないかというところが、その人なりにだいたい見えてくるといったことも、あるのではないでしょうか。
頭髪治療では、人にもよりますが、だいたい1年から1年半くらいで、そういったものが見えてくることがあります。
治療を始めたときと比べればかなり髪の毛が増えた。
太く丈夫になった。
しかしいまの医療でできるのは、この辺までではないか。
自分の髪の毛の改善は、これくらいがベストかもしれない。
そこでどうするのか。
もうこれ以上なかなか記録は伸びないからといって、すっかりトレーニングをやめてしまえば、半年後、一年後には、またタイムがストンと落ちてしまうこともあります。
頭髪治療でいえば、フィナステリドによる男性型脱毛症の進行抑制でも、ミノキシジルを使用した発毛促進でも、これまで続けてきたことを中止すれば、しばらく経って揺り戻しがありうることは、当然予想できます。
そろそろもうオリンピックはあきらめて、目標を市民マラソンに切り替えるか。
これからもマラソンは続けるけれど、健康法の一種と割り切って、記録の向上にはもうそれほどこだわらないことにするか。
それはつまり、「治療のゴール」をどう考えるのか、ということでもあります。
私たち医師も、もちろんいろいろとアドバイスはしますが、それを最終的に決断することができるのは、「髪の毛に悩む人」本人でしかありません。

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自分の髪の毛に納得できる自分

あ人生の時計の針は止められないこれまでこの本で、男性型脱毛症とフィナステリドによる治療、女性の脱毛、さまざまな原因やきっかけで起こる薄毛や脱毛、ミノキシジルによる発毛促進治療などについて、説明してきました。
しかし、忘れてはならない大事なことがあります。
それは、人間はみんな、男性でも女性でも、年をとれば、皮周も髪もそれなりに衰えていくということです。
髪の毛でいえば、年を経るにつれて、細くなったり、短くなったり、分量が減ったりします。
加齢による変化、つまり老化からまったく逃れることは、誰にもできません。
誰でも生きている以上、人生の時計の針は刻一刻と進んでいます。
それは病気でも異常でもなく、生命体の流れそのものです。
それを止めたり、逆に回したりすることは、現在の医学ではできません。
ただし、それを多少なりとも遅らせる努力ならば、個人としても、医療としても、それなりに試してみる価値のあることはいくつかあります。
人生の時計の進み方には個人差があり、また同じ人のなかでも体のパーツによって差があります。
多くの人が髪の毛のことで悩むのは、人より早く髪の毛が減ってイヤだったり、それを実態以上にオーバーに感じてしまったり、周囲の目がとても気になったり、自分で思っていた以上に薄くなってしまい悲しかったり、といったところから出てくるようです。
自分自身の心身の流れを客観的に受け止められない不安、周りと自分を比べて感じてしまうコンプレックスなどに、見過ごせない根っ子があるのではないでしょうか。

 

「治療終了」のホイッスルを吹くのは

しかしここで、ちょっと考えてみてください。
たとえばですが、気持ちは20歳、体は50歳、実際の年齢は35歳という人がいたとしたら、どうでしょうか。
その人は、気が若いから幸せでしょうか。
体の衰えが早くて気の毒なのでしょうか。
私たちはいま、多くの患者さんたちとの出会いを通じて、お歳の人ならば、心も体も却歳代半ばにふさわしくすごしていけることが、その人にとってベストの状態なのではないかと考えています。
バランスよく、上手に年齢を重ねていく。
言葉にするならば「ウェルエイジング」です。
髪の毛の治療を始めるときには、いまの医療で実際にどんな治療ができるのか、ぜひやったほうがいいこと、試してみる価値のあること、可能な選択肢を、初めにできるだけ説明しておきたいと考えています。
いわば、いま使える道具や武器、その使い方を、小出しにせずに、最初にひととおりお見せしたいのです。
そのなかには、治療の終了を宣告するホイッスルも入っています。
そのホイッスルの吹き方もお教えします。
何ごとも、始まりがあれば、いつか終わりもあります。
頭髪治療の場合、「これでよしとしよう」という「終わりのホイッスル」を吹くことができるのは、「髪の毛に悩む人」本人なのです。
それはつまり、いまの自分の髪の毛に、それなりに納得できる自分になるということです。
そのために私たちは、いまもっている知識や技術によって、できるだけのお手伝いをしたいと思っています。

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